「スタンフォードの脳外科医が教わった 人生の扉を開く最強のマジック」~BTS 『Magic shop』

「スタンフォードの脳外科医が教わった 人生の扉を開く最強のマジック」~BTS 『Magic shop』

「スタンフォードの脳外科医が教わった 人生の扉を開く最強のマジック」ジェームズ・ドゥティ、読了。

きっかけ

この本を読もうと思ったきっかけは、ラジオJ-waveを聴いていて玄理(ひょんり)さんがオススメしていたのを聞いたことです。その時の説明としては、

「日本語版の表紙を見るとよくある自己啓発系の本のように感じてしまいそうだけれど、れっきとしたスタンフォードの脳外科医がマインドフルネスを科学的に実証しようと研究所を設立するに至った彼の半生を記したもの。BTSのRMが読んでいた。」

といったような紹介を聞き、読みたい!と思って読みたいリストにブックマークしていたのでした。

あらすじと感想

けっして裕福はない、家族それぞれが問題を抱えた家庭で育った少年ジムが、町にあったマジックショップでルースという女性に出会い、彼女から特別なマジックを教えてもらった。そのマジックというのが今で言うマインドフルネスのやり方。

私はマインドフルネス・瞑想というのをきちんと教えてもらったことはなく、たまにyoutubeの音声を聞いて試してみたことはあるという程度。ただ、合気道で呼吸法をやっているので、近い効果はあるのかなと思っていました。呼吸法は毎日やるようにと言われていたけれど、毎日は出来ていないな…と。本書でも毎日練習するようにと書かれていたので反省。

まずルースが教えたのが呼吸の方法とリラックスをする練習。家が休まるところではなかったジムはつねに緊張状態(交感神経優位)にあった。

「心臓は迷走神経を通じて延髄という脳幹の一部とつながっている。迷走神経には2つの部分があることやリラックスして呼吸をゆっくりすることで迷走神経を活性化させると、副交感神経系が刺激されて心拍数や血圧が下がる」

現在脳外科医であるジムは手術室に入るときにこのマジックで血圧コントロールし、心拍数を低くどどめることができる。

実際ルースがジムに教えてくれたリラックスする方法、以下の4つのマジックについて、手順も書かれているので実践することができます。

ルースのマジック

1.からだを緩める(呼吸とリラクゼーションは心を手なずけるための第一歩)
2.頭の中の声を止める(頭の中の声を止めると、思考が澄みわたる)
3.心を開く(開かれた心は他者とつながり、それがすべてを変える)
4.なりたい自分を描く(なりたいものを鮮明に描くことで、想像が現実に)

これらを毎日何十分、1時間と繰り返し練習したとのこと。それを実践するようになってからのジムは家庭内でちょっとした変化が起こったり、進路についておのずと道が開かれるようなことが起きたり、絶対に無理そうな場面でも奇跡的なことが起こったり、と様々な経験と願望を実現していく過程が描かれます。交通事故で臨死体験のようなことを経験したり、父親が死ぬ間際に自分に会いに来たような経験も。

そして自分のかなえたい夢として描いていた豪邸、ポルシェ、美女などもすべて叶えることができた。しかしその後。。

「人は欲しいものをなんでも生み出すことができるけれど、生み出す価値のあるものが何かを教えてくれるのは心の知性だけだ。」

「ルースはテクニックと練習法を教えてくれたけれど、僕と一緒に過ごし、僕に関心を注ぐことで、いちばん大切な本物のマジックは何かを教えてくれた。それは、自分の心の傷だけでなく、周囲の心の傷をいやす、共感の力だ。」

ジムは様々な経験のあとに、ルースが教えてくれたマジックの最後のレッスンを理解したのだった。

願望実現の本は多数あるし、youtubeでもそのテーマが取り上げられているのをよく見ていたけれども、実際に科学的に研究しているというのは知らなかったし(共感と利他主義研究センター(CCARE))そこにダライラマが呼ばれて講演していたというのも驚き。

2010年スタンフォードでの講演「centrality of compassion(共感の重要性)」。冒頭にこのセンターの所長ジム・ドゥティーと紹介されていますね。

ダライラマの講演は日本語訳見つけられなかったけれどもこちらのブログにまとめがありました。

ざっと流し読みしながらもところどころ涙するところがありました。再度きちんと理解するために何度か読み返したいなと思っています。

BTSの「Magic shop」(以下ヲタクの想い)

ばんたん(BTS)の楽曲に「Magic shop」という曲があります。私はARMY(BTSのファン)だけれどもあまり楽曲のコンセプトとかを調べたりするタイプではなく、この曲も大好きだけれど背景などは知りませんでした。

Fake Loveのティザーの頭に、「’Magic shop’is a psychodramatic technique that exchanges fear for a positive attitude.」とこの本の引用がされているんですね。

この本を読み終えて、あらためて歌詞を読みながら曲を聴いてみると、本当に泣けます。

この映像、Magicshopの歌詞とコンサート映像を組み合わせられていますが、↓作ってくれた人天才ですね(ihouかもだけど…)。。

無名の事務所で後ろ盾もない中で、自分たちを信じ、自分たちを応援してくれる人たちを信じてなんども奇跡を起こしてきたばんたん(BTS)。もちろん2021年現在、ビルボード1位を達成してグラミー賞にノミネートされるほどの人気絶頂に至るまでには悩み苦しみも多かったはず。

『自分が自分であるのが嫌になった日、永遠に消えてしまいたいと思った日
扉を一つ作る。その扉を開けて入ったらここで待っているはず
信じても大丈夫 君を癒してあげる Magic Shop』(Magic shop歌詞)

『だか振り返ってみると 実は、最高になりたかったんじゃなかったかもしれない、癒しや感動になりたかったんだ、君の癒しや感動になりたかったんだ僕は』(Magic shop歌詞)

ここの歌詞はもう、ジムの境地ですよね。”最高の自分”というものが最終到達点ではなかった。本当に大切なことは、他者との共感であり、癒し。。20代の若者がどうしてここまでの境地に…と驚かずにはいられない。。

アルバムのコンセプト「Love yourself」でも人種も生まれも関係なく全人類が「自分をちゃんと愛すること」をメッセージとしてユニセフなどでも語っていた。自分たちの経験から感じた気持ち、感情を歌にしているというのはこんなに強いパワーなんだなと、改めて感じた。

ばんたんの舞台はいつも感動する。ゴリゴリのダンス楽曲のときは本当にぴったりと揃っていて一番カッコいい姿を見せようとパフォーマンスしているし、ゆっくり歌うときは会場にいるARMYを本当に愛おしそうに見て回り、メントではその時感じている感情を素直に誠実に話してくれる。

あ、少々思いが強すぎて横道に逸れました。

ファンミーティングvol.5のコンセプトがMagic shop!

2019年のファンミーティングはまさに「Magic shop」がコンセプトだったんですよね。私は千葉マリンスタジアム参加と大阪はライビュ参加でした。

用意されていたVCRも、Magic shopを舞台としたのショートストーリー仕立てでした。

悩みを抱えたマンネ(末っ子)ジョングクがMagic shopを訪れ、そこの女主人?(もしやルース役?)のジミンちゃんが部屋へ案内すると、あの手この手でメンバーがジョングクの気を晴らそうと奮闘するけれどもイマイチ効果がない…。

一同お手上げ状態になった時、あるスニーカーに目が留まる。そのスニーカーは、そう。練習生時代?にずっと履いて踊っていたスニーカー。練習ばかりでつらい日々、そしてついにデビューを迎えた日のフラッシュバック。その日の気持ちを思い出した…。

といった内容(記憶違いがあったらすみません)。

そしてそのスニーカーを履いて、デビュー当時の衣装で次のステージにつながるの、マジで鳥肌テンションあがりましたね…。

ばんたんが思い出を語りARMYと心を通わすファンミーティングの舞台がMagic shopって、本当に素敵なコンセプトだったな、と改めて感動するとともに、Bighitのコンセプトメイキング力は素晴らしいなと、感謝。

本の感想から結局ばんたんへの想いを語ることになってしまいましたが。自分の中でいろいろと繋がることがあったのです。書くのが下手で全然伝わっていないと思いますが…。

自分用にメモしたい気持ちと、人に伝えるということは両立できないですよね。そりゃそうですよね。まあ、しばらく迷走しながらですが書いてみます。

きょうのところはこんなかんじで。